小鳥を愛する二人の優しい物語「ことり」(小川洋子)
人の優しさをじっくりと丁寧に描かれた作品でした。
「小鳥の小父さん」と呼ばれる主人公には幼稚園の鳥小屋掃除をしていたことから園児からそう呼ばれるようになりました。
「小鳥の小父さん」には、人間の言葉が話せないけど小鳥のさえずりを理解できるお兄さんがいました。
お兄さんは当然社会では生きていくことが困難で、働くことはなく、毎週薬局でキャンディーを買いに行きます。そしてそのキャンディーの包み紙を貼り合わせてブローチを作る。近所の幼稚園の鳥小屋を眺めにいく。そんな変化のない日々が続きます。
続きを読む月と人間の優しい物語「月の立つ林で」(青山美智子)
今年の一冊目はこちら。
青山美智子さんの新作「月の立つ林で」を読みました。
青山美智子さんの作品は優しい雰囲気でありながら生きることや職業、仕事などの深いテーマを背景にもっているストーリーが魅力ですが、今回は特に優しさがあふれてました。
今回も一つのキーワードを基に人間ドラマが綴られる連作小説です。
(装丁デザインがエンボス加工されていたりと凝っていてとても良いです)