40代のオッサンが初めて【星の王子さま】を読む!
あまりに有名な童話サン=テグジュペリの「星の王子さま」
恥ずかしながら生まれてこの方一度も読んだことがありませんでした。
かつて、書店で働いていた時は児童書の中で「モモ」「果てしない物語」と並ぶ岩波書店の定番だったことを未だに覚えているくらいなのに読んだことが無いのです(汗)
なぜ今この本を選んだかといえば、名作は無いかと古本屋の文庫の棚を探していた時に見つけたんです。そういえばこんな名作を読んだことが無かったと。
今回読んだのは新潮文庫版で、一般向けに2006年に河野万里子さんによって新しく翻訳出版されたものです。
岩波書店版や他のものはもちろん読んだことはありません。
ある星からやってきた王子さまと砂漠に不時着したパイロットとの対話なのですが、人や動植物に対する思いやりについて語られます。
相手を思うということ、そしてそこには絆が生まれるということをゆっくりと優しい言葉で紡いでいます。
「いちばたいせつなことは 目に見えない」
「きみのバラをかけがいのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」
「絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ」
ただ言葉を追ってゆくのではなく、その言葉から出て来るものを感じる。そんなお話だと思いました。
僕みたいなせかせかした大人には違う意味で難しかったかな。
でもなんとなく著者の言わんとすることがわかった気がします。
著者サン=テグジュペリは幼い頃の父の死、兄弟の死を経験します。大人になり飛行機好きなことからパイロットになり、第二次世界大戦では軍隊に入りパイロットとして活躍しますが、偵察飛行の際に行方不明になり、帰らぬままなのです。
そんな軍隊にいる中でこの話を書かれたわけですが、思いやりの大切や別れの辛さを独特の感性で感じていたからできた作品なのではないかと思います。
挿絵も多くてかわいい本です。
オッサンには不向きかもしれませんが(笑)なにか大切なものを思い出すような一冊です。