「カラフル」(森絵都)
珍しく小説が読みたくなった。
いつものことながら本屋をフラフラしているとこの本が目に付いたので買ってみた。
実はこの本は昔から知っていたが、今まで読もうとすら思ったことは無かったんだけどふと気になった。
一応児童文学らしいけど文庫版は文春文庫から出ている。
過ちを犯して死んだ主人公が輪廻のサイクルから外れないように、天使がチャンスをくれる。そのチャンスというのが自殺を図った少年に(代わりに)入り込む。パラレルワールド。
児童文学の基準ってなんだ?小学生向けじゃないよなあ。内容的に中学生以上かな。
家族、友人、異性、さまざまな人間関係の問題を本当の自分じゃない仮の人間なのに解決しようと悩む主人公の心情・・・
設定が面白く、結末を想像しながら読むのが楽しかった。
個性豊かなキャラクターが多く登場してまさにカラフル。
もともとの単行本の発売は1998年。
このころから「イケてる」って言葉があったのかと思ったけど、よくくよく考えたら思い当たる節はある。
個人的に心に刺さったのは、自分が何を求めているか探す為にいろんなことにチャレンジする母親に対して主人公が、
「欲深いんでも執念深いんでもなくて、ただたんに飽きっぽいんだよ」
と諭す場面。
なんか心を打たれた気分。
僕コレかもなと(笑)
(こんなところに引っかかる人あんまりいないと思うけど)
オッサンが読むような本じゃないかもしれないけど(笑)軽く読むのに調度良いと思う。