本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

想像ラジオ(いとうせいこう)

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どんなタイミングなのか。
この本を読み始めたのが2021年2月13日。
この日の午後11時08分頃に福島県宮城県で大きな地震があった。
多くの方が一度に亡くなった2011年の東日本大震災から10年経ったいま・・・

 予備知識無しで読んだが始めは何がなんだかわからなかった。
東日本大震災に関わる内容だと裏表紙に書かれていたが、タイトルからしてファンタジーな内容かとも思っていた。
読んでいくうちに次第に死者と生者の話だということが分かった。
ファンタジーな作りだけど、生と死をリアルかつシリアスに描いてる。でも宗教的ではないと作品だと感じた。
本文では想像での世界が広がっているが、読む人の想像力もやっぱり必要。

幸いにも僕には親しい人が亡くなった経験が無い。(疎遠になってどうなったかわからない人は多いが)

亡くなった人はどこへ行ってしまうのだろうか。亡くなった人はあの世からこちらを見ているのだろうか。
僕は日常的によく考えることだが。

この本では、死後の世界があるとか無いとかではなく、生者と死者が持ちつ持たれつ、未来を作っていくという世界観。

僕は、普段偉そうに死後の事を知ったように言ったり(考えたり)しているが、身近に起きている人の前では何も言えないような気がする。

あと、僕がもし死んでしまう時には、残った人に「忘れないでほしい」なんてことは思わないだろうな。

カバーデザインは綺麗でなかなか気に入りました。

 

想像ラジオ (河出文庫)

想像ラジオ (河出文庫)