本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

旅のお手伝い(おくりびと)

「納棺師 ー それは、悲しいはずのお別れを、やさしい愛情で満たしてくれるひと」

オーケストラのチェロ奏者から、遺体を棺に納める納棺師へと転職する主人公大悟(本木雅弘)ほか広末涼子山崎努余貴美子出演の2008年公開の映画。

今から10年ぐらい前にレンタルでかテレビ版かを見た記憶があった。
良い作品だったという程度で、内容はすっかり忘れていた。

今だからこそ(母が亡くなった)、今一度見ておきたいと思い観た。

テーマとして取り上げにくい題材のものをコミカルさを交えながら大切なことを伝えている良い作品だと思えた。

「死」「葬式」というと日本では暗く、悲しく、また忌み嫌うような風潮があるが、果たしてそうだろうか。
個人的にも思ったことだが、やはり「旅立ち」として一つの通過点という考えがあってもよいと思う。

映画の中でも出てくるフレーズで死は「門」であると。
まさに通過点であり、そこから先への道(旅)へ送り出す儀式というのがもっとも腑に落ちる。

葬儀に関わる仕事(納棺師)を嫌うシーンがあり、普通の感覚であればわからないではないが、立派な仕事であることも作品の中では伝わってくる。

映画の中では伝えきれないだろうが、やはり一度きりの「死」と向き合う場所での仕事だから、親族等とのやりとりもセンシティブでありシビアで厳しいことも多々あるかと思う。

実際僕自身も母の死の葬儀等を葬儀会社にお願いしたのだが、極めて簡素なプランだったが非常に丁寧で良い仕事をしていただいた。まさに人の最後の儀式を執り行う誇れる仕事だと感じた。

どんな会社に依頼するかでもかわってくるかと思うので、葬儀の準備というと心理的に難しいかもしれないが事前準備などはしておいてもよいのではないか。(映画のような納棺は会社やプランによると思われる)

ひとはだれでも「おくりびと」になり「おくられびと」になる。

「死」とは、「葬儀」とはということを考えておくことができる良い作品だと思う。(精神が普通のときに見ておいておくのがよいかと)

 


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