釈徹宗&笑い飯・哲夫の対談本 (みんな忙しすぎませんかね?しんどい時は仏教で考える。)
浄土真宗の僧侶であり大学教授でもある釈徹宗氏と、お笑い芸人の笑い飯・哲夫氏(以下哲夫氏)の往復書簡形式の対談です。
哲夫氏はお笑い芸人でありながら、仏教の本を書くくらい仏教ファンなんですね(一冊持ってますが)。さらに仏教のラジオ番組もやっています。「サタデーナイト仏教」という番組でポッドキャストでも聴けますよ。一回の時間が短いので聴きやすく、僕も登録して聴いてます。
さて、この本は仏教という共通点を持ちながら違うジャンルの二人の対談ですが、仏壇、墓、法要、お寺など身近な仏教から、心の問題、悟り、生と死など日常生活に活かすことができる仏教のことを二人それぞれの見解を持って語られます。
さすがに専門家である釈徹宗氏の豊富な知識は仏教だけならず、落語から心理学まで多くのお話が飛び出します。哲夫氏も独特の感性と口調で日常で起こる出来事を比喩するのが上手くて面白いです。
感想
ブッダの教えには多くのヒントがあり、また訳や解説も様々です。読むこと、教えられることで何かに気付き、フッと楽になることもあります。またなるほどと思ったその時は良いんですが、その場限りで日常に戻ると元の木阿弥になることも十分あります。忘れないように何度も復習することも必要でしょう。
・仏教は“運”という概念に拠らない
・「犀の角のようにただ独り歩め」だけど、仲間がいたら共に歩めという件
・認識と現実のズレに気づき、感情を捨てるということ
・苦手を克服できない人を避難しない、しがらみから逃げようとするんじゃなくて、しがらみに関心を持ち向き合うこと
など役に立ちました。
同じ方向に向かう仲間を見つけるのって難しいですよね。
いつか出会うんだろうと期待せずに独り歩んでいきたいと思います。因縁生起ですから。その他自己分析するところはやっぱり仏教は科学だなと思います。
哲夫氏の全般に出て来る「中道」の勧めは基本です。また自分の考えを述べた後に「自惚れています」と自分を見つめて反省していると偉ぶってないのが偉いなと思います。(笑)
釈氏の「快を求めるタイプ」ではなく「不快を避けたい」んです。っていう件。なんか共感できるな~と思いました。僕もどちらかといえば不快がなければ結構満足してるかも。なんて思いますが、実際はもっと欲がでるかも。
というふうな気軽に読めるライトな仏教書です。
とはいえ、真実は奥深いですけどね。
ちなみに釈徹宗さん、本名とは知りませんでした(笑)