熟読の呪縛から自由になる(遅読家のための読書術)
「遅読家」?
初めて目にした言葉ですが、なんだか自分のことのように思えて手に取りました。
本を読みたいけどついつい後回しになって「積ん読」(つんどく)になる人の特徴とその解消法が書かれています。
著者「印南淳史」氏自身も遅読家だったようで、WEBでブックレビューの仕事を受けてから早く読まざるを得なくなった体験があったようです。
数々の読書にまつわる思い込みや方法論が書かれています。
・熟読しても、実際には忘れていることのほうが多い
本は熟読するべきという思い込みがあると驚く言葉。しかし、忘れていないものの中に自分にとっての大切な部分が凝縮されている。
・「100%を写し取る」よりも「1%に出会う」
・貯めこまず、流れるように読むフローリーディング
しっかり知識を取り入れることが読書と思っている。結果、「積ん読」になっている。
・読書週間をつくるために毎日同じ時間に読む
・「速く読める本」を中心に読む
赤文字で書きましたが、僕がこの本で一番の重要ポイントだと思ったからです。
「速く読める本」がある一方、「速く読む必要がない本」が存在します。それはストーリーコンテンツです。小説、エッセイ、漫画など、飛ばして読むわけにはいかない本・・・
なぜ重要と思ったかは最後に書きます。
・昨日とは違う本をいつも読む
この本では一日1冊ということが目標になっていますから毎日違うわけです。
【具体的な読書法】
この本では読みながら手書きすることを重要視しています。
・気になった箇所を書き写していく「1ラインサンプリング」
・その中から「これ」というものを1つ選ぶ「1ライン・エッセンス」
冒険するように「その1行」を探しながら読んでいくこと。
・そして、「1ライン・エッセンス」についてレビュー(感想文)を書く「1ライン・レビュー」
なぜ「1ライン・エッセンス」の箇所に感動したかということは重要なのですが、時間が経つと忘れてしまうということから。
それと、これを残しておくと、あとで一目みただけで、一冊の記憶がよみがえるからだそうです。納得。
【流し読みのテクニック】
・読み飛ばしてもつながりは見える
・目次は熟読に値する
・ていねいに読む部分を見つける
その本を読むことでなにを得たいかを明確にしておく
・「覚えない読書」より「記録する読書」
線引き読書は覚えた気になっていて、実は覚えていない。
ノート(など)に書いて記録する。(先に書いた1ライン~の方法)
その他、読書計画の立て方、本の選び方、選ぶ場所、本の整理の仕方、本との別れ方なども書かれています。
僕自身、本をたくさん読むにはどうしたらいいだろうかと考えることがあったので読んでみました。
そして読んでいくうちに、途中で赤文字で書いた「速く読める本を中心に読む」というところで「?」が付きました。
え?読む速度より、どんな本を読むかの方が優先じゃないのかと。
読みたい本より、早く読める本を優先するってどういうことだ?と。
これは僕の思っていたことと違うことに気が付きました。
本の中にも書いていますが、どうやらビジネス書や新書などが対象に書かれているようです。(それだけじゃないでしょうけど)
僕の場合は、小説、宗教哲学っぽいのが好きなのであまり参考にならないと感じましたが、人の記憶力とか、手書き方法などは大変参考になりました。
良い所は取り入れながら自分なりの読書法を見つけていきたいと思うのでした。