【サピエンス全史①】読まずに死ねない!
2016年にこの日本語版(上下巻)が出版されました。
著者はイスラエル人歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ。
当時話題になった本で興味はあったのですが、専門書ぽくて読むのは敬遠していました。しかし、昨年(2019年)図書館で上巻を借りる事ができたので読んでみたのですが、人類の歴史というテーマは予想以上の面白さ。もっとも文章が良いというのもあるでしょうけど。これは知っておくべき事だと、これを読まずして死ぬことはできないなと(笑)
そしてこの度、改めてハラリ著の本を読んでいこうと思い、思い切ってまずはサピエンス全史、上下巻をまとめて購入!
上下巻ものですが、このブログでは第1部〜第3部までの三分構成で書いていこうと思います。
第1部 認知革命
この本を読むと今わたし達がが生きているこの一生涯も、宇宙が生まれ、地球が生まれてからの長い年月を考えればいかに一生が短いものか。
・われわれホモ・サピエンスは唯一生き延びた人種だった
人類(我々ホモ・サピエンス以外のヒトも含む)が生まれたのは約100万年前と言われている。
人類は大型動物の脅威と共に生きてきたが、約40万年前からサピエンスを台頭として大型動物を捕食し始め約10万年間で食物連鎖の頂点に立った。10万年とはいえそれは短い期間での進化だった。
人類は短期間に頂点に登りつめた為、生態系は順応する暇がなく、人類自身も順応し損なった。
今では当たり前でしたが、知能や言語がない時代の人類は長いあいだ他の大型生物の脅威はあったのですね。
しかし、食物連鎖の頂点に立ったその後、現代に至るまで戦争や生態系の大惨事、歴史上の災難はあまりに性急に進化した産物だと著者はいいます。
・認知革命という突然変異
我々サピエンス以外の人種も存在していたが、唯一残ったのが我々サピエンスであり、何故サピエンスだけが生き残ったのか。それは進化の上でのあるとき「認知革命」なる突然変異が起きたからだという。
他の人種やチンパンジーなどと決定的に違う能力、言語使い議論するということだった。この能力の素晴らしいところは、木や川、ライオンなど現実にあるものだけを話すのに限らず、謂わゆる見えないもの、現実に無いもの創作し、伝達する能力だった。
現代に生きる我々にとっては当たり前のモノだが、伝説、神話、神、宗教、精霊などこれら虚構を創作する能力はチンパンジーもネアンデルタール人なども持っていない。
これら虚構、架空の物事を語る能力はサピエンスの言語の最大の特徴だった。
サピエンスは約45000年前、船を作り初めて海洋社会を発達させた。 この能力も大きな革命と言えるだろう。
普通、生物は途方もない歳月をかけて進化して身体を発達させなければならないところをサピエンスは船を作り、操縦の仕方を会得した。 このような能力は他の人種や動物にはできないことだった。
普段当たり前に思考し、言語を使っているわたしたち。このように生物として考えるとかけがいのない能力で授かっているとも感じます。
現代の我々の能力も「当たり前ではなかった」と発想することから見えてくるものがあります。
・最も危険な種
長い年月をかけてオーストラリア、アメリカ、日本、台湾、多くの島々に移住していったが、人類の恐ろしさはこの頃から現れていた。
それぞれの大陸や島に生息していた多くの動物が絶滅したのはサピエンスが上陸した時期と重なっていて、人類こそが多くの生物を絶滅させた犯人だというのだ。
人類の能力が進化することで、多くのことが可能になったが、地球全体でみればそれが良かったことなのかどうかはわからない。
ヒトは能力を身に付けたら征服したがるんですね(汗)
現代はレッドデータなど絶滅危惧種を守る運動はあれども、自然破壊や動物の醜い扱いなどが問題になることがあります。
しかし、こうした歴史からこのサピエンスとは元来そういう種だったのだと思わずにはいられません。
現代でも問題は抱えており、経済優先主義で環境や生物が損失しているのも事実です(これはこれで問題です)。しかし、何千年というスパンで考えれば、保護しなければならない、守って維持していかなければならないという思考が増えてきたのも事実で、そういう思考ができる人種も増えてきたというのは一つの進化ではないかと思いました。
決して人類が偉いというわけではなく、ただ能力が進化した結果だと謙虚になれる気がします。
長い年月を想像すればいかに自分の人生が短く小さいものかがわかりますが、そうした中でも我々は他の動物とは違う進化した生命体として「何故生まれてきているのか」。そうした考えも湧きこります。
今回ここには書きませんでしたが、現代に比べて「狩猟採集時代は豊かな生活だったのか」ということも書かれています。
第2部に続く