本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

人生において仕事とは何なのか改めて考えさせられた(あやうく一生懸命生きるところだった)

「あやうく一生懸命生きるところだった」
このタイトル、ネットでたまにみかけていたので気になっていたのだが、先日書店に行った時に一冊だけ平積みになっていた。
「残り一冊!」という雰囲気。

なんだこのゆるいイラストとゆるいタイトルは。
中をパラパラとめくると、ところどころゆるいイラストが散りばめられているエッセイみたい。

内容はゆるいイメージとは裏腹に意外と哲学的だったり、ところどころ心に引っかかる部分があった。

ひょっとして今の自分にピッタリ??

少し前の僕ならこんなお気楽な本はまず買わない(笑)。
1450円+税ということもあり若干躊躇。
本を読むことにも疲れていたけれど直感で購入!

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いやー実に面白かった!

 エッセイって面白いな~
でも著者は「ハ・ワン」さんという韓国人で、岡崎暢子さんという人が日本語訳をしている。韓国でも売れているらしいので元が面白いんだけど、翻訳もうまいんだと思う。

僕自身、ちょっと普通とは違う人生を送っているとおもうけど、こんなことが同じ人っているのかと驚く部分も多くあった。

頑張って、一生懸命に生きてきた人だから共感できることが多く書かれていた。

人間は生まれつき不公平に作られている。何事も頑張れば叶うなんてウソだ。君の努力が足りないせいじゃない。

 やる気とは自ら作り出すものであり、誰かに強要されて作りだすものでは絶対ない。

 あまりにもつらく、耐えがたいならあきらめろ。あきらめたって問題ない。道は絶対、一つじゃないから。

(眉間にシワを寄せて「正解はどれか?」と思い悩み自分を苦しめる必要はなんてまったくない。
人生のすべてをコントロールしようと考えてはいけない。
(だってそもそも不可能なのだから)

失敗してもいい。失敗したときは思いっきり後悔すればいい

 本当にやりたい仕事は“探す”のではなく“訪れる”ものなのだ。

食べて行ける、お金をたくさん稼げるほうがいい、自己実現もできて、面白くて、きつくなくて、休みも多くて、尊敬されて・・
ひょっとすると、僕らは仕事に対して、あまりにも多くのことを望みすぎているのかもしれない。

立派なサラリーマンが言う「自分の店をやりたい」とは、「今の生活がつらい。いつまでこんな仕事が続くのか不安だ」という意味なのだ。

 夢みた通りにいかなくても、人生が終わるわけじゃない。与えられたこの人生を生きるだけだ。結局、今をどう捉えるかの違いだ。

(他人の充実した生活のSNSを見ていると)
みんな主人公なのに、僕だけエキストラかよ!と憂鬱になった。
SNSを始めたらこうなるとは聞いていたが、自分だけは大丈夫と思っていた。が、ダメだった。

(自分はたいした人間ではなく、平凡でちょっと不器用な存在であること。幻想の姿とはかけ離れていることを悟った。)
ダメな自分を認めてから、逆に自尊感が向上した。

何かを失ったことに気を取られて、何かを得ていることに気づかない。反対に何かを得ようとするときは、それに集中するあまり失っていることに気づかない。

 あまり期待しすぎるな

 天才は努力するものに勝てず、努力するものは楽しむものに勝てない。
(必ずしも人に勝とうとして楽しむのではない)

 たいていの人が、子供の頃から植え付けられる仕事や人生の価値観。
それは親だったり親類、先輩などだろう。
そして自分で実際に生きて積み上げる経験。
先入観としてある価値観と実際の経験が相まってようやくわかることがあると思う。そんな経験を積んだ人なら理解できる本だと思う。

しかし、国が違うのにこんなに共感できる事ってあるのだと不思議に思う。自己啓発本ではなくエッセイなのに妙に説得力があり、心の荷が降りるようなところもあり、勇気づけられるところもあった。
また、他の本にはあまり書かれていないような事が多く書かれていて新鮮さもあり本当に面白い本だった。

著者の他の本も読みたいと思うけどどうやら出版されていないようだ。残念。

イラストもかなり良いです。

エッセイって面白いなぁ。

 

あやうく一生懸命生きるところだった

あやうく一生懸命生きるところだった