本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

バカとは自分に愚直であるということ(どうせ生きるならバカがいい・村上和雄、宮島賢也)

正直言って、この類の本は嫌いだった。
バカに生きろ、アホがいいとか楽観論で人生を楽しく生きるということ。

今までの僕はどちらかというか、向上心を持って自己を高める。自己研鑽とか修行的なものにこそ本来の人間の姿であり、そうあるべきだと思って生きてきた。

しかし、ここ最近の記事に書いているように、ここ数カ月僕はまるで行き詰ったような日々で苦悩していた。

前の2冊(「なにものにもこだわらない」「逃避の名言集」)に引き続き衝動買いしてしまったこの本はさらに僕を再生してくれるような気がしたのだった。

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遺伝子学で有名な村上和雄氏と薬を使わない精神科医の宮島賢也氏の共著。村上氏は過去に本を読んだことがある。宮島氏は名前は聞いたことはあったが本を読んだことはなかったが優しさを感じる二人の本に惹かれた。

 向上心を持ってひたむきに努力して生きて行くことは素晴らしい。しかし、人はいろいろで弱い人もいるわけで、挫折したり、社会に適応できなかったり、精神を病む人もいるわけだ。
そういう人のための救いの教えがこのような本だと思った。

ただの楽観論ではなく、本当の自分見つめるきっかけを作ってくれる言葉が散りばめられていて、今一度人生を立ち止まって考えさせられ、勇気づけられた一冊になった。

疲れてしまった人は正しい考え方(正しいというのはこの本での基準では無いが)ができ、進む道や行き方が見つかったならば、再び努力し成長する生き方をすれば良いのではないか。

楽観論と努力や成長、分けるのではなく両方とも存在して良いのであって、連続して考えるのが良いのではないかと僕は思った。

 

◎以下に印象に残った書き留めて置きたい文章を記載しておきます。

・薬に頼ることが病気を治すことではないのです。大切なのは、「自分はどんな生き方をしたいのか?」ということを考え直し、それに気づくことなのです。(宮島)

・正しいか間違っているか、良いか悪いかよりも、自分が嬉しいかどうか、幸せかどうかでものごとを選び直してみましょう。(宮島)

・(周りの人の意見やこう思われそうだという判断基準)は、それは自分の生き方を他者に委ねてしまっているのと同じです。それゆえ自分の中に苦しい思いがたまってしまうのです(宮島)

・心身の健康という点で考えても明らかに悲観論者より楽観論者のほうがよい方向に自分を持っていけます。(村上)

・そもそも末期がんといっても医師の治療に従った人たちのデータに基づき、医師がそう判断しただけのことです。(宮島)

・では、バカな生き方とは一体どんなものでしょう。それは、どんなときも自分自身に素直であるということです。(村上)

・無理に何かをする必要は一切ありません。最も大切なことは、あるがままの自分を受け入れ、自分を全肯定することです。(中略)
自分自身を受け入れると、生きることがとてもラクになります。失敗しようがしまいが、どちらでもOKと思えるようになるからです。(村上)

・少々他の人より偏差値が高いとか低いとか、器量がどうだとか、勝ち組だ負け組だ、などというのは、生命レベルの見地からすればわずかな誤差です。(村上)

・頭であれこれ考えて心配する人ほど、しんどい思いをしていると思います。(宮島)

・笑いが遺伝子をオンにすることはご承知のとおりですが、感動もまた遺伝子をよい方向に働かせると思います。(村上)

・自分に正直で愚直なまでにバカな生き方をすると、きっといろんなものとぶつかるでしょう。そのため、真っすぐに進めず、紆余曲折あって遠回りもします。(中略)
しかし、ぶつかって曲がった回数が多いほど、そこで得られるものも多いのです。(村上)

 

 

どうせ生きるなら「バカ」がいい

どうせ生きるなら「バカ」がいい