本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

スロウで静かで美しいミニマリズム 「最小限主義。」

 ここ数カ月あまり本を読んでない。
というか読めなかった。手に取っても読む気が起きなかった。

先日、本棚から一冊の本を取り出した。
「最小限主義。」(沼畑直樹)2015年11月発行

約5年前の本でミニマリストについて書かれた本だが、なんとなくもう一度読んでみようと思った。
この頃からだろうかミニマルとかミニマリストとかという言葉を耳にし始めたのは。

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 僕は普通の人よりモノが少ないと思う。けれど時々モノが増えてくると整理したくなってくるものだ。

今改めて自分の心境的にゴチャゴチャとしたものを整理したくなっているから、再び読んでみる気になった。

自分の本棚から出したので過去に読んだはずだが今読み返してみるとあまり覚えていなかった。

覚えていたのは・・・
片付いたテーブルの上でコーヒーを淹れて飲むこととか、
マツダデミオロードスターより楽しいとかだった(笑)

改めて読んでみて、最小限(ミニマル)であることの魅力が書かれている。

モノを捨てることで「自分は結局何者でもない」ことに気づく。

何もない空間の気持ち良さ。

刺激を減らすと見えてくる違う幸せ。

茶道、禅、質素、清貧という日本の文化との共通点。

**捨てる、片付けること、空間の価値。

大から小へ、必要なぶんだけで生活することの心地よさ。

 

この本は主にハウツー本ではなくエッセイだと思った。
(ハウツー本と思って読むと物足りないので注意が必要)

著者の若い頃からの旅や仕事、遊びの経験から得られた価値観が書かれている。

夕陽をながめることで人生を感じる。

空を味わう幸福。

木陰の下で椅子に座るだけで気持ちいい。
椅子と日陰といえばクルマも椅子と日陰だ。

採光という基本的価値が得られる窓。

身近なモノから、家の空間、生活習慣、そして光や空の大切さ、ミニマリストからナチュラリストにまで広がる。

ナチュラルとミニマルは似ているのかもしれない。

このような生き方に共感するのは僕は元来、シンプルだとか静謐だとか、禅的思想に興味があるからかもしれない。
一方で僕は凝り性なのであらゆる面でこまごまとしたことを積み重ねていくことが好きなのだが、そしてある日、ぜーんぶ手放したくなったりする。そんな時はミニマルな思考になってくる。
あらゆることがまるで無意味に思えたり・・・(危険!)

ミニマリストになりたいとは思わないが、出来る限り最小限で生きるミニマリストみたいな生き方は憧れでもある。

 

 アマゾンでは酷評されているが、それも理解できる。
なにしろハウツー本ではなく、特に後半は著者のエッセイだからか・・・