本がある日日

本は好きだが読書が苦手な男の読書ブログ。時々映画もあるよ。

映画を愛する人々のドラマチックな物語「キネマの神様」(原田マハ)

 久しぶりに小説を読んだ。

最近よく名前を聞く“原田マハ”。

面白いと評判なのでどれか読んでみようと思い選んだのがこの「キネマの神様」だが、購入して2/3ほど読んで、その後休止していたがこのたび残りを読んで読了。
読み終わって、この表紙の味わい深いタッチの絵の雰囲気はまさにピッタリだなあと思った。

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 一気に読めなかったのは僕が小説を読むのが苦手だからかもしれないが、ラストは評判どおり良かった。

映画を愛する人々による、映画、映画館、映画批評などを題材に繰り広げられる。映画や俳優などは実在のものが登場する。

主人公の女性の父はギャンブル好きでダメ人間な面を見せる一方で、生粋の映画好き。主人公の仕事の流れで老年ながらネットの世界で映画に関わることになり、人生を立て直していく。

僕自身も映画館には時々行くが、映画館で映画を観たときはその、数時間だけ別世界に行ったようになる気分はかけがいの無いもので良いなと思うもの。

書かれた当時は今と違いSNSが無くブログ全盛期というのが時代を感じるが、たった10年ほどで随分とネット環境が変わったものだなと思う。

味わいのある作品だった。

 

キネマの神様 (文春文庫)

キネマの神様 (文春文庫)