アイデアの接着剤(水野学)
アートディレクターである著者の水野学さんが冒頭で書かれている言葉だ。
アートディレクターとは、デザイナーとクライアントの間に立ち、企画やアイデア出し、進行をしていく存在といえばわかりやすいだろうか。(だいたい合っていると思うけど違ったらごめんなさい)
世の中にあるありとあらゆるモノにはデザインが潜んでいる。それらが企画から商品になるまでの過程には想像以上の人数と時間と労力がかかっている。
商品を作るにはビジネスとして成り立たないといけない。ようするに儲けないといけない。
しかし、ただ儲けるためのアイデア出しのノウハウでは無いのがこの本の良さではないだろうか。
信頼、礼儀、大義(志)それらが無いと良い仕事はできない。
何かを作るうえで重要なのが主体性と客観性。
アイデアをみつけるために自分の世界の広げ方。
コンセプトとは迷わず目的地にたどり着くための地図である。
マーケティングでいいものが作れるなら、世の中いいものだらけになっている。
才能の前に必要なことがあることを伝えようとしている気がした。
知識、努力、志、その仕事はクライアントの為になることかと考えること。長年培ってきたキャリアから見えてくる著者の哲学が記されているように思う。
記録して残しておきたいこと
「自分の世界を広げられない要因は三つあります」
・一歩踏み出す勇気がないこと
・面倒くさがること
・(疑わずに)決めつけること
デザインという観点での参考になる本だが、他の仕事でも参考になる考え方が散りばめれられていると思う。
専門書ではなくエッセイ的な構成になっているので比較的読みやすい本だった。